ケルトンの記事で見るまで全く知らなかったのですが、サーム・ルールという失業率の推移と不況入りについての「経験則」で話題になったことがあるみたいですね。(命題でもなければ自然法則でもないのにそんな感じで使われることがあるとのこと。 "Repeat after me: the Sahm rule is an empirical regularity. It’s not a proposition; it’s not a law of nature." "The Sahm rule: I created a monster"より)
上の2つの記事も良いんですけど、
"Ban the Phillips Curve"「フィリップ曲線を追放せよ」
について。
フィリップ曲線は、
"The model created in 1958 says that to get inflation down, unemployment must rise. Low unemployment, as we have now, is a sign of a strong labor market, which fuels strong demand. Strong demand leads to high inflation. The Fed raising interest rates is the primary policy tool its believers call for to fight inflation."
「そのモデルは、1958年に作られ、インフレを抑制するためには失業率を上げなければならないというものです。現在のような低失業率は強い労働市場の表れであり、それが需要を高め、高インフレへとつながります。FRBによる利上げは、インフレと戦うためにその支持者が求める主要な政策手段です。」
MMT派の本(『財政赤字の神話』、『MMT現代貨幣理論入門』、『ミンスキーと〈不安定性〉の経済学』)でも紹介されていて、「そんなバカな!」という感じでしたが、ローレンス・サマーズ(元米財務長官で経済学者、サームやケルトンの記事によく出てくる印象)も本当にそれっぽいこと言ってますね・・・。
でもそれは間違っている(そもそも成り立つ方が稀)という記事ですね。供給側の変化があるじゃないかと。
"Cinging to the Phillips Curve threatens the U.S. economy. We don’t need a recession; we don’t need sky-high interest rates. We need more workers and investment. This is not an academic debate; our future is on the line.
Want lower inflation? Want to solve the labor shortages? Start thinking about supply."
「フィリップ曲線にしがみつくことはアメリカの経済を脅かします。不況は必要ありません。超高金利は必要ない。より多くの労働者と投資が必要なのです。これは学術的な議論ではありません。私たちの未来がかかっているのです。
より低いインフレが良いですか?労働力不足を解決したいですか?供給について考えましょう。」
※投資って言っているのは、ただの金儲けって意味ではなく、設備投資とかの供給サイドに働きかける意味で言っていると思います。供給とは無関係に、「株式投資とかで儲けて老後資金を作りましょう!」とかではなくて・・・。
「フィリップ曲線を追放せよ。(「捨て去れ」の方が訳として適切かも?笑)」
良く知らないとは言え、元FRBの当局者がそれを言うのは心強い気がします。色々変わってくれると良いんですけどね。
以上です。